まんじゅう山アスレチック・トリムコース(昭和52年9月)その③

2020年8月14日 09時00分

 弓削小学校のすぐ側にある伊勢山に設置されている「まんじゅう山アスレチック・トリムコース」は、自然に親しみながら運動を楽しむことのできる、弓削小児童の大好きな場所の一つです。

 このアスレチック・トリムコースは、昭和52年9月、弓削小PTAによって作られ、使用を開始しました。

 今回も、弓削小PTA広報誌「あゆみ」の昭和52年9月号の記事から、完成・使用開始当時の様子をみてみましょう。

(↓下の写真は、完成当時のアスレチック・トリムコースで活動する児童の様子)

 

   完成に寄せて         昭和52年度弓削小学校PTA役員

 先生をはじめ、両親の協力の下に、あれだけの立派な施設ができて、母親として、子供と共に、これからの体力づくりに、また、グループのお楽しみにと使わせていただきたいと思います。お父さん方は、これからの危険管理のご苦労が大変でしょう。母親といたしましては、草刈り等に気をつけて、子供たちがけがをしないように少しでも協力をさせていただきたいと思います。

 

   伊勢山の施設完成に寄せて   昭和52年度 弓削小学校 教諭

 子供たちが待ちに待っていた5日の山開き。額の汗をぬぐおうともせず、期待するものに挑むかのようにたくましく登る満足げな子供の姿。私は、その姿を見たとき、あの炎天下、ひたすら子供たちのために施設づくりに奉仕してくださったお父さん、お母さんの流した汗を、今、子供たちは自分の肌で感じているのだと思わずにはいられなかった。そしてさらに、本校の体力つくりを進める上で、ぜひほしいと夢見ていたことが、今ここに実現したのだと喜びの実感として強く感じたのである。私は、「夢見ていた」という言葉を書いたが、事実、私は子供たちのために、伊勢山に体力つくりの施設が欲しいという強い願望と同時に、それは単なる夢に終わるのではないだろうかという、危惧の念を抱かずにはおれなかったのである。なぜなら、その完成のためには、かなりの費用や資材、土地、労力のいる大変な事業だからである。しかし、その夢が夢で終わらず、正夢となったのである。

「必要なものならなんとかつくってやろう」と立ち上がってくださったPTA会長さんをはじめ、PTAの方々の我を忘れてのご努力、教育委員会や地主の方のご理解など、全ての力が結集されて、まさに夢が立派に実現されたのである。これこそ、最近強く叫ばれている地域・社会・学校教育の一成果であり、すばらしいPTA活動の偉業であるといっても過言ではなかろう。そして、子供たちにとってこれほどすばらしいプレゼントはないであろう。恵まれた子供たちであると思う。立派にできあがった数々のトリムを見ていると、その一つ一つが「欲しかったものをつくってあげましたよ」と語りかけているように思える。多くのお父さん、お母さんの流した汗でできているこの施設を、以下に効果的に活用し、子供たちの体力つくりに役立てていくかということが、今後、我々の取り組まなければならないことであり、またそうすることが、作ってくださった方々への期待に報いる道であると思う。伊勢山の施設づくりにご尽力くださった方々へ心から感謝いたします。

 

※ 原文は縦書き。

※ 個人名は伏せております。

※ 写真は、当時のPTA会長からお借りしました。

※ 明日、その④を掲載します。